危機の前夜
ある節点は、何を描いたかではなく、何も描けなかったその時間についてのものだ。
この結びには絵がない。
それまで
1889 年の終わり、彼の状態は不安定になりはじめ、仕事の時間は短くなり、手紙も少なくなった。
いま
十二月の発作は、サン=レミ滞在中で最も激しいものだった。彼は後に、その期間をほとんど覚えていないと言った。発作のあいだ、彼は深刻な混乱に陥り、医師は彼に仕事をやめるよう告げた。
そのあと
沈黙はしばらく続いた。彼はのちに「そこから出てきた」と書いたが、出てくるのがどんな感覚だったかは、詳しく語らなかった。
出来事の流れ
- 共感覚の物理精度 · Letter 830
手紙が短くなる。「私は、君に告げ得る以上に、この隠遁者の生活に悲しみ、倦んでいる。」
- 共感覚の物理精度
アトリエで絵具を呑み込む——発作の前兆。ペイロン医師は病床日誌に「自傷の試み」と記す
- 共感覚の物理精度 · Letter 831
重い発作が始まる。以後、二ヶ月間は仕事ができない。彼の生涯で最も深い谷のひとつ——制作の沈黙ではなく、存在そのものの沈黙だ
- 共感覚の物理精度 · Letter 833
「発作のあいだは、痛みと苦しみの前に怯える——理性が許す以上に怯える。」耐え難いものを、最も抑制された言葉で描写する
- 共感覚の物理精度 · Letter 834
「もう一ヶ月半、仕事ができていない。」生産が止まったことを、彼がはじめて認めた瞬間。それでも嘆きはなく、ただ事実だけ
原文より
Je suis triste et ennuyé plus que je ne saurais te dire de cette vie de reclus. 言葉で君に伝えられる以上に、私は悲しく、倦んでいる——この、隠者のような生活に。
Pendant les crises je me sens lâche devant la douleur et la souffrance — plus lâche que de raison. 発作のあいだ、私は痛みと苦しみの前で、自分を臆病だと感じる——理性が許す以上に、臆病だと。
Je n'ai pas pu travailler pendant un mois et demi. もう一月半、仕事ができていない。
書簡出典
このページで参照したゴッホの書簡番号。Van Gogh Letters Project へリンクします。 vangoghletters.org