1889-06 · サン=レミ=ド=プロヴァンス · 沈黙の結び

星月夜

彼の最も有名な絵について、彼自身は多くを語らなかった。この二つは同時に真実である。

「残りは私には何も語らない。」

— Letter 800, 1889

サン=レミで彼は夜の風景、月、星空を描いた。この一枚は比較的遅く、病院の窓から見える畑と空に、彼が想像した村の輪郭を加えたものだ。

彼は《星月夜》を伝説として書きはしなかった。Theo に送った絵の一覧(letter 805)で、それはただの「Night study」にすぎない。同じ手紙の中で彼は、月の出やオリーブの木、夜景の類を、構図に誇張のあるものと呼んだ。そして、自分がいくらかましだと思う絵を挙げたとき、《星月夜》は先頭にはなかった。

彼はオリーブの木、糸杉、畑、模写を描きつづけた。この絵は彼の死後に流通へ入り、そのすべての中で最もよく見覚えられる一枚になった。だがそれは後のことで、彼自身は見ていない。

出来事の流れ

  1. 共感覚の物理精度 · Letter 776

    サン=ポール精神病院に入院。窓から壁に囲まれた麦畑と遠くの山が見える

  2. 色彩実験者 · Letter 776

    入院最初の週にアイリスを描いた——絵で自分を救うために

  3. 共感覚の物理精度 · Letter 783

    糸杉を描き始める——「エジプトのオベリスクのように」。筆触が極度に歪む

  4. 共感覚の物理精度 · Letter 782

    『星月夜』を描く——しかし手紙にはたった一文「新しい星空の習作」とだけ。説明なし

原文より

J'ai encore un paysage avec des oliviers et aussi une nouvelle étude d'un ciel étoilé.

オリーブの樹の風景をまた一枚、それに、星空の新しい習作を一枚、描いた。

Letter 782

書簡出典

このページで参照したゴッホの書簡番号。Van Gogh Letters Project へリンクします。 vangoghletters.org

技法上の根拠

この作品は、本サイトの「技法の変遷」において、以下の根拠として扱われます。

  1. 炸裂する筆触 1888.02 – 1889.05 時期へ F474 / JH1592 ローヌ川の星月夜 色彩 色彩体系の転化を示す代表作 厚塗り 厚塗りと太い筆触が見える代表作 筆触 方向性のある筆触を示す代表作
  2. 回転する世界 1889.05 – 1890.05 時期へ F612 / JH1731 星月夜 色彩 色彩体系の転化を示す代表作 厚塗り 厚塗りと太い筆触が見える代表作 筆触 渦巻く筆触を示す代表作