1890-06 · オーヴェル=シュル=オワーズ · 沈黙の結び

藁葺き屋根

北方の古い題材が、新しい場所で見られる。

  1. フィンセント・ファン・ゴッホ、『藁葺きの家々』、1890、オーヴェル=シュル=オワーズ
    F750 藁葺きの家々 1890
  2. フィンセント・ファン・ゴッホ、『ニューネンの古い塔』、1884、ニューネン
    F88 ニューネンの古い塔 1884
  3. フィンセント・ファン・ゴッホ、『コルドヴィルの藁葺き小屋』、1890、オーヴェル=シュル=オワーズ
    F792 コルドヴィルの藁葺き小屋 1890

絵

ここにあるのは藁葺きの家を描いた別々の油彩二点である。F750 では屋根が斜面に沿って延び、草地と濃い青の空が広く描かれる。F792 では石壁と石の多い道が家々へ向かい、その上に渦を巻く青い空が広がる。同じオーヴェルの藁葺き屋根でも、構図と色彩の組み立ては異なる。

手紙

1890年6月、オーヴェールに到着して間もない頃。テオに書いた。「オーヴェールはとても美しい——とりわけ古い藁葺き屋根がたくさんあって、もうほとんど見かけなくなったものだ。」別の手紙では。「苔の生えた藁葺き屋根が、ツグミやクロウタドリの巣を思い起こさせる。」目の前の家を、子どもの頃の言葉で描いていた。「美しい」という語を彼が書けた最後の時期だった。

場所

オーヴェール=シュル=オワーズ、パリの北西30キロの村。ガシェ医師がここに住んでいた。セーヌの支流がゆるやかに流れ、両岸に麦畑、果樹園、古い家。ニューネンから八年、アルルから二年、7月27日まで二ヶ月足らず。

5 月 21 日ごろ、彼は Theo に、花をつけたエンドウと麦を前景にした古い藁葺き屋根の習作を描いたと伝えた。藁葺きの農家は、初期のオランダ時代にも繰り返し描いた題材だった。

比較は彼自身の言葉にある。南へ行ったことで、北をよりよく見られるようになった、と書いた。しかし同じ手紙で、オーヴェルの近代的な別荘も古い藁葺きの農家とほとんど同じほど美しい、と述べている。これは単純な郷愁の言明ではない。

オーヴェルで彼は再び古い屋根、農家、教会、麦畑を描いた。資料が支えるのは題材の回帰であり、過去と対話していたという感覚は、彼自身の言明ではなく私たちの読みである。

出来事の流れ

  1. 共感覚の物理精度 · Letter 877

    到着して間もなく——「オーヴェルはとても美しい——とりわけ古い藁葺き屋根がたくさんあって、もうほとんど見かけなくなったものだ。」子ども時代の事物が、ふたたび目の前に現れる

  2. 共感覚の物理精度 · Letter 877

    「苔の生えた藁葺き屋根が、ツグミやクロウタドリの巣を思い起こさせる。」温かいとも郷愁とも言わず、直に鳥の巣を比喩に持ち出した

  3. 色彩実験者

    F750《藁葺きの家々》では、濃い青の空の下で緑の屋根が斜面とつながる。

  4. 共感覚の物理精度

    F792《コルドヴィルの藁葺き小屋》では、石壁と小道が家々へ向かい、空と屋根の線が渦を巻く。

原文より

Auvers est bien beau — beaucoup de vieux chaumes entre autres, ce qui devient rare.

オーヴェルはとても美しい——とりわけ、稀になってきた古い藁葺きが。

Letter 873
Des toits de chaume moussus qui me rappellent les nids de grives et de merles.

苔むした藁葺きの屋根——ツグミやクロウタドリの巣を思い起こさせる。

Letter 877

書簡出典

このページで参照したゴッホの書簡番号。Van Gogh Letters Project へリンクします。 vangoghletters.org