1889-05 · サン=レミ=ド=プロヴァンス · 脈絡の結び

アイリス:制作時点と書簡

サン=レミからの最初の手紙で、二点の庭の絵はすでに制作中だった。

  1. フィンセント・ファン・ゴッホ、『アイリス』、1889、サン=レミ=ド=プロヴァンス
    F608 アイリス 1889
  2. フィンセント・ファン・ゴッホ、『Irises (in vase)』、1890、サン=レミ=ド=プロヴァンス
    F678 Irises (in vase) 1890
  3. フィンセント・ファン・ゴッホ、『Irises (pink background)』、1890、サン=レミ=ド=プロヴァンス
    F680 Irises (pink background) 1890

最初期の一点は1889年5月、入院直後の作品の一つだ。サン=レミからの最初の手紙で、彼はアイリスとライラックの茂みがすでに制作中だと書いた。紫のアイリスが画面下半分に斜めに密集し、剣のような葉が交差して立ち、地面はオレンジがかった赤土。一年後、さらに二点を描く——黄色の地に紫のアイリス、ピンクの地に紫のアイリス、色はさらに純度を増している。三点を並べると、庭の題材がのちに室内の静物として戻る過程が見える。

手紙

1889年5月。テオへ。「もう二点を描いている——黄色の背景に紫の花束。ぞっとするほど離れた補色同士が、対立によって互いを強める効果。」別の手紙。「庭は紫のアイリスで満ちている。」アルルの危機のあと、黄色い家を離れ、自ら病院に入っても、彼が最初に書けた内容はやはり色と仕事のことだった。自分を噂に明け渡すことではない。

場所

サン=ポール病院、塀の内側の庭。彼は数日前、自らの意志で入院した。そこから残る最初の手紙で、Theo に、アイリスとライラックの茂みがすでに制作中だと伝えた。これはここで過ごす十二ヶ月の最初の週だった。塀の内側で、彼はまず手近な庭の題材へ戻った。

彼は 1889 年 5 月にサン=ポールに入り、入院後まもなく庭のアイリスを描きはじめた。

サン=レミからの最初の手紙で、彼は Theo に、アイリスとライラックの茂みがすでに制作中だと伝えた。後の手紙でも、制作、画材、庭について報告している。アイリスが示すのは制作への復帰であって、治癒の証明ではない。

その年の秋、Theo は《アイリス》をアンデパンダン展に出し、Vincent のよい作品の一つだと手紙に書いた。絵が画室を離れたあと、どこへ行き、どう見られたかは、なお二人の書簡の一部だった。

出来事の流れ

  1. 色彩実験者 · Letter 776

    数日後、塀の中の庭に入ることを許される。まずイーゼルを立て、アイリスを描く——絵で自分を救うために

  2. 翻訳者 · Letter 777

    最初の《アイリス》を完成——平らに塗られた紫青、鋭い黒の輪郭線、画面上方に大きな余白。日本的な見方が、プロヴァンスの花壇へ移される

  3. 色彩実験者 · Letter 777

    「庭は紫のアイリスで満ちている。」事のすぐあとに、彼が最初に書けたのは自分のことではなく、色のことだった

  4. 共感覚の物理精度 · Letter 776

    サン=ポール=ド=モソール療養院に入院。最初は二階の部屋に入れられ、鉄格子越しに庭のアイリスを見ている

  5. 色彩実験者 · Letter 776

    一年後、病室の中でもう二点を描く——黄色地に紫のアイリス、ピンク地に紫のアイリス。「ぞっとするほど離れた補色対が、対立によって互いを強める。」

  6. 共感覚の物理精度 · Letter 778

    三点を並べると、「外に行ける」から「部屋にしかいられない」への、ゆるやかな移ろいが見えてくる

原文より

Je travaille à deux autres — des bouquets de fleurs violettes sur fond jaune, avec un effet de couleurs complémentaires terriblement disparates qui se renforcent par leur opposition.

別の二点を描いている——黄の背景に紫の花束。補色がぞっとするほど隔たり、ほとんど調和しない——だがその対立によって、互いに強め合う。

Letter 776
Le jardin est plein d'iris violets.

庭は、紫のアイリスでいっぱいだ。

Letter 777

書簡出典

このページで参照したゴッホの書簡番号。Van Gogh Letters Project へリンクします。 vangoghletters.org

技法上の根拠

この作品は、本サイトの「技法の変遷」において、以下の根拠として扱われます。

  1. 回転する世界 1889.05 – 1890.05 時期へ F608 / JH1691 アイリス 厚塗り 厚塗りと太い筆触が見える代表作 筆触 渦巻く筆触を示す代表作