時期五

回転する世界

1889.05 - 1890.05 · サン=レミ 身体は閉じ込められ、筆触が回転をはじめる。
Narrative

1889年5月8日、サン=ポール=ド=モーゾールに入院した。寝室、制作室、庭、そして壁。

発作のあいだは描けない。発作と発作のあいだに描いた。身体は狭まり、画面の運動は大きくなった。

ミレーやドラクロワを模写し、それを「翻訳」と呼んだ。《星月夜》はこの回転する言語の集中である。

Technique

筆触 · 渦

  • 蛇行、波、渦巻きの筆触
  • 運動は方向性から有機的なものへ変わる
  • 垂直の糸杉が画面の錨になる

厚塗り · 頂点

  • 部分的には浮彫に近づく
  • クロムイエロー、群青、緑が凝縮される
  • 主題が強い密度で反復される

模写

  • ミレー、ドラクロワ、レンブラント、ドレ
  • 版画を油彩の色へ翻訳する
  • 模写は療法であり瞑想になる

形成の原因

環境 療養院の壁が題材を狭めた。

発作の反復が、制作できる時間を切迫させた。

療法 発明が不安定なとき、模写が構造を与えた。

出来事 テオの息子が生まれ、《花咲くアーモンドの枝》が贈り物になった。

重要な手紙

letters 800-810 模写計画がこの時期の手紙で展開される。

letter 805 · 1889.09 模写を、別の音楽家の曲を演奏することにたとえる。